この項目は販売を目的としたページではありません。 これはあくまでも 僕の独り言のページ。

私のコレクションを紹介して行こうと思っています。 未公開の写真も登場します。
ここでの更新は追加と訂正だけにとどめ、将来集大成することも考えています。

ご機嫌クラッチ」考

多くの方々から何故サイモンは2500Cを作らないのかという旨の質問を受けます。
色々とさしさわりがあるので、その質問にはここではお答えしないでおきましよう。

今年の春、アメリカの業者が特注したアンバサダー2500CDL・2500CDLティールの販売に関わる機会に面した。 長いこと待った甲斐あって、やっと製品が入荷して見ると、クラッチが大変に硬く(重く)、時折それはつかえてしまい、よほど力を加えないことにはクラッチが切れなかった。 又、クラッチをつなぐ際にはパッチンと大きな音がした。 入荷した個体のほとんどがこれらの現象を示していた。 その時、2007年だったろうか、2500Cモデルが復刻された時に日本の店舗で見せて貰ったもののことが彷彿した。 そうだった、あの時のクラッチも硬かった。 

皆さんはあれらのクラッチで満足されているのだろうか? そこで僕は今回2500CDLの販売協力をするに際して、各位と連絡を取って見た。 調査して見ると、その評価は思っていたよりも厳しいもとして伝わって来た。 中には「復刻品を買ったけれど、(クラッチが硬くて)使えないからそのまま寝かせています。」と言う方さえいた。

ここから僕の2500C(その他の類似機種は割愛して2500Cとだけ呼ぶことにする)の再研究は始まった。 実際に70年代のものも調べてみたが、僕の所有する70年代のオリジナル2点のように、オリジナル品にもクラッチの状態が満足でないものがあることが判った。

僕は結構2500C用のオリジナル・デッドス・トック内部パーツを持っている。 それらを今回の2500CDLに移植して見ることから調査を始めて見た。 調査では一つだけパーツを入れ替えては組み立て直すという作業を繰り返すことにした。 そうしなければ、どのパーツ(もしくはどのパーツ群)が問題を起こしているのかが判らないからである。 調査と研究には日時を要した。 しかしこのパーツ入れ替え作業では、僕は2500CDLのクラッチ問題を完全に直し得なかった。 この間グリースを入れ替えると音が静かになったとか、サイドプレート側のハウジング内をサンドペーパーでクリーニングすると良いと言うような情報が店舗さんやら、スウェーデンの専門機関からも寄せられて来た。 シカゴにある老舗修理店にも立ち寄って見て、問題を提起して見たが、彼らとしてもパーツを入れ替えることや、潤滑財を施すことでは問題を一切解決出来得なかった。

研究の2段階目は現象面からではなく、力学面と人間工学面から構造的な問題の原因究明となった。 ここまで来ると、天才技師でアンバサダーの生みの親であるオーケ・ミュールヴァルが設計デザインしたものを再分析・再評価することになる。 それは尊敬する彼に対する僕の大きな挑戦でもあった。 

そして長い日々を経て、研究の結果が出た。 ついに僕は力学上、クラッチを改善できる案を見つけ出したのだ。 そこから次の作業は僕の発見した問題点を現存の構造内でテストすることだ。 その時点でいくつかパーツのプロトタイプを作り出し、それを基礎にして既存するクラッチ問題を改善することが出来るかという研究に移った。  

プロトタイプの作成には時間が掛かった。 何度も何度も複数群のパーツを組み合わせては、試行錯誤を繰り返した。 そしてついに最終プロトができた。 それらを導入して組み立て直したテスト結果は大変良好なものだった。

こうして2ヶ月に渡る研究の結果「ご機嫌クラッチ」はついに誕生した。

「ご機嫌クラッチ」は自分で分解メインテナンスを行う方々は15分ほどで簡単に導入することができます。 入れ替えるパーツはたった3つだけです。小型ドライバーの他には必要な工具はありません。しかもオリジナルが持つ機能および外見をまったく損ないません。

「ご機嫌クラッチ」は当社HPから直接お買い求め頂けます他、まもなく最寄のアンバサダー取り扱い店舗さんでもお求め頂けるようになります。

「ご機嫌クラッチ」の軽快なクラッチ感覚で、真のクラシック・アンバサダー2500Cが如何にあるべきか、今初めて、ABUが生んだ小さな巨人の真価を発見してください。


勿論「ご機嫌クラッチ」は1500C、2501Cの他、2600Cなどのモデルにも適用できます。 

注) 「ご機嫌クラッチ」は必ずしも万能薬ではありません。クラッチの問題は複合したパーツの問題や細かな偏差が関係していることが往々にしてあります。スプリング10245の入れ替え用に際しては。「ご機嫌クラッチ」では厳選したワイヤーで作ってありますが、お手元のリールについているクラッチ盤の状態やクラッチ盤に搭載されているパーツの状態によっては、10245には太いワイヤーのスプリングを使ったままでなければ、クラッチノブが低位置に戻って来ない不都合が生じる場合があります。 そのような状態のクラッチ盤がついた個体においては、残念ながらパッチンという大きな音を取り除くことが出来ません。 この問題の基本的な原因をもたらすものはプラスチック・クラッチ・ボタンの10369にあります。 1975年モデル(75・03・00)の2500Cにはクラッチ・ボタンに10253が使われています。 これが次のモデルから10369に変わります。


10369を搭載したクラッチにプロトで作った柔らかで快いスプリングを搭載すると2台に1台はクラッチ・ボタンは戻って来ない問題を起こします。 そこでABUは強いスプリングを搭載することにしてこの問題の解決を行うことになりました。 これがパッチン音の出る原因です。 柔らかなスプリングではクラッチ・ボタンが戻らない際の解決方法は2つあります。


一つは10369を10253に取り替えることです。 

さあ、これで楽しい2500Cを楽しみましょう。


 

当社が開発し、販売しています Stout Frame (スタウト・フレーム)と命名したフレームがホットな注目を浴びているようです。 このフレームは、その開発に際して、雷魚釣りではこのお店の右にでるところなしと言う、あのプロショップ藤岡さんにも一枚加わって貰っています。フットの接合部分やピラー形状の開発には、その道の専門家と研究・改良を重ね、2年の歳月を費やして完成したものです。

雷魚のようにとてつもない力でやり取りするのは、通常のフレームではなく、専門的に開発されたこの強化フレームが宜しいようです。

強力なパワーを生み出す原点は、やはり安心できる頑強なフレームが原点です。

リール全体が低くなるようにフット部分がオフセットされていて、サミングする親指に優しい設計になっています。

僕が遣ることですから、勿論アンバサダーリール用フレームで、5000サイズ、6500サイズと2種類があります。 既に当社がピュア・フィッシング・ジャパンの正規商品の製品の一部では搭載されています。 搭載リールに付きましては、同社HPをご参照下さい。

迫って来たシーズン前に、是非この Stout Frame を装着して用意は万端と行きませんか?

当社での直接販売もございますが、藤岡さんでは既にパーツを取り揃えており、皆さんからのご注文をお受けできる体制が整っています。早速ご連絡を取って見て下さい。



 

新たな年を迎えました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

カーディナル3(サイズ)及び4サイズリール用のアルミ製スプールのご紹介です。
これまでカーディナル4においてはオリジナルデザインを持ったアルミ製のスプールが存在していませんでしたね。 極似したデザインのものが日本では販売されていますが、マニアの方々はやはり見た目にオリジナルデザインのものを希望されるのではないでしょうか? 昨今このカーディナルスプールが生産されましたのでお知らせ致します。

アメリカ、ヨーロッパでは魚の大きさから言いまして、利用度はカーディナル4の方がカーディナル3を上回っています。 そんなこともありまして、今回の販売もカーディナル4を先行させていますが、日本で良く出回っているカーディナル3用のスプールも近々生産発表されます。生産地はカナダで、当社の製品ではありませんが、デザイン、色付けなど技術面では僕もアドバイザーとして監督させて頂きました。 お値段もお手ごろな$40.00。 1月15日現在での換算率で言いますと、3460円という価格になり、円高の影響で大変お買い得になっています。 お急ぎでない方、単品で海外から購入するには送料が割高になるのでと仰る方はメールにてその旨ご連絡下さい。行く行くは日本の店舗にも出回りますが、 当面は送料を低廉にした何らかの送付方法を考えましょう。

お申込みはHPの“ビンテージ・アンバサダー・リール・パーツ”欄からどうぞ。 (カーディナル製品パーツですが、種類が限られていますので、カーディナル専用欄は設けておりません。)

2010年1月15日


私が執筆いたしました「アンバサダーと私」及び「 The Ambassadeur and I 」は書き終えて10周年の節目となりました。 この間、皆様のご支援を賜わりまして日本語英語版合計数字で7500部を販売することができまして、いよいよ日本語版の在庫も底を付くところとなりました。 つきましては10年の節目と致しましてハードカバー装丁による保存版を発行することにいたしました。 装丁は通常仕上げと合成皮を取り入れた De Luxe 版の二種類を用意いたしております。 内容はその後に書き上げた「アンバサダーと私」そして「アンバサダーと私最終章」をそのまま合本したものです。

どうぞこの機会をお見逃しなくお買い上げますようにお知らせ申し上げます。 どちらの装丁にもシリアルナンバーが打たれており、私の自筆サインも認めてあり、文字通り蒐集価値ある一品に仕上げてございます。 愛される久遠のクラシックアンバサダー同様に皆様のアンバサダーコレクションの指針として、この保存版をお求め下さいますようにお願い申し上げます。

是非申し込みは早めに行って頂き、出来るだけ小さなシリアルナンバーがお手元に入るようになされて下さい。 実際の配送は12月上旬を予定しておりますが、販売受付は11月4日から行い、11月11日には一回目のシリアルナンバー抽選を行うことにしております。 詳細はそれぞれの商品項目をご欄頂けますようにお願いいたします。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。 

サイモン下村


今年のアメリカ中西部は例年になく多くの雨に見舞われていている。 そのために春の河川でのスティールヘッド釣りが思うように行かない。 現地に赴いてみて、濁りもある激流と化してしまった川を立ち尽くして呆然とさせられる日が何度もあった。

そんな中で 1 日やっと釣ったのがメニューページに掲載したスティールヘッドでした。 ロッドグリップは ABU 製のものを少し改良してバットを太くしたもので、パーツから組み上げた2500 CDL を例年通り愛用しています。 

川の状況が思わしくない中、シカゴのダウンタウンに住む友人の日本人写真家であるルーク君がシカゴに面したミシガン湖の岸壁からキャストするスモールマウス釣りを紹介して呉れました。 僕はシカゴ郊外に彼此 25 年以上も住んでいながら、実はシカゴ市内で釣ったことがなかったのです。 

高層ビルを背景にしてジョギングや散歩する市民に取り巻かれる中で釣りをすることは僕に取っては全く考えたこともない環境だったのです。ルーク君は多い時には2.5 Kg にも達そうかという大きなスモールマウスを釣っていると連絡して来ました。 そこで誘いに乗って先日非常に変わった経験をして見ました。 

先ず自宅から郊外の駅まで自家用車で出掛け、その駅に駐車して CTA (シカゴから郊外を繋ぐ半分地下鉄になった電車です)を利用してダウンダウンまで出る。 そこからルーク君にガイドして貰い、裸のロッドを持って高層ビル街を歩きミシガン湖岸へと向かいます。 高級ホテル、ブティック、銀行、商社ビルなどを過ぎて美術館や噴水も過ぎ、汗ばんだ頃にミシガン湖畔になります。 もうそこで脚がふらついています。 

早速キャストするのですが、その日は食い渋り続け、水族館で終了する間際でやっと幼いコーホー(シルバーサーモン)を一匹釣り上げました。 スピナーを追いかけるスモールマウスは何度か確認できましたが、どれも喰らい付くことなく、直ぐに元の湖底へと消えていきました。 

次の機会には何とか大型のスモールを上げたいものです。

2009年5月26日


大変ご無沙汰しております。 今年の夏は2つのトレードショーを2週連続で訪問するなど、例年になく多忙なスケジュールをこなしています。

その中で幾つかクラシック・アンバサダー党には欠かせない重要な新製品を開発いたしましたのでこの欄でご紹介致します。特に雷魚を遣られます方々には好適な商品に仕上がっていると僕は自負しています。 どうぞご一覧下さい。

仕上がった「6500 C シャンパン・サンドブラスト」は各種パーツ開発に従って出来た最終プロト製品の例です。 クラシックモデルと言う原型を崩さずに、見事にスタイルが決り、機能は飛躍的に向上しました。

60mm新型スターウィ−ル  ( 商品番号4010 SSA)

従来、6500 ST モデルに搭載されていた60mmスターウィールは7000番モデルのスターウィールの外形を模る金型が一緒であった為に4500〜6500サイズのモデルに搭載した場合、不都合がありました。 それは中央部の幅(軸部分)を7000番用に仕上げてある為に、4500〜6500サイズのモデルに使用した場合には、スターウィールをつけたままでスプールキャップの脱着が行えないことにありました。 今回当社が開発しました新型は従来のクラシックデザインである「5角型」を基調としながら、スプールキャップの脱着を可能にしたものです。 原型を基調とした60mmサイズで中央部を削り込む必要があることから、それぞれの指に当たる部分は、大型サイズのスターウィールにしては細長くなってしまいました。 そこで細長くなった分の補填は肉厚な素材を用いることで問題を解決しています。 

ミラー・フィニッシュが美しく映える一品です。 貴殿の雷魚釣り、海釣りにご活躍させて見て下さい。

 

100mmパワーハンドル:(商品番号4303 SS 及び4303 SS1 )

この商品も数年考え続けていた商品です。 より強力なトルクを生み出すにはアーム直径の長い(大きな)ハンドルを使うに越したことはありません。 勿論竿をポンピングさせながらハンドルをクランクすることでトルク力不足である分はある程度補うことは可能です。 又、現行品のハンドルを搭載することも可能ではあります。 しかしそれでは「機能とデザイン」の両面から見て、その品物は雷魚向きとは考えられず、クラシックの持つ美しささえ損なわれてしまいます。 そこで「機能とデザイン」を重要視した、100mmパワーハンドルの開発を行うことになりました。 

丸型ノブの他に、長時間の釣行に耐えられる指に優しい平ノブモデルも選択できます。

又、好み次第でマーブル・ノブや赤ノブも特注頂けます。

 

6500( C )用スタウト・フレーム  ( 商品番号98328 SS)

開発の骨子になったのは「強力なやつとのファイトに自信を持って対抗できる体力を内臓したフレームを作ること」です。 振り返って見るとクラシックのアンバサダーを専門職として既に10年が経ちました。 僕の場合には一般の店舗さんや個人の方がパーツから完成品を組み立てる場合と異なり、パーツ自体を自分で工作したり ABU 工場に特注して貰ったりして来ました。 クラシック時代のフレームの組み立ては「ステーキング=叩き込み」と「ロウ付けハンダ方式」によって行われて来ました。 近年は「ロウ付けハンダ方式」は所謂「スポット溶接」にとって代わりました。 「スポット溶接」は大量生産には向きますが、残念ながら大型で強力なファイトには不都合が発生します。  

僕は強力でしかも信頼性のあるフレームを完成させることにしました。 それが「スタウト・フレーム」です。 特殊なフット加工はこれまでに得られなかった酷使に耐えるバックボーンになります。 ピラーにも手を加えていますから、フレームはこれまでになく強力なものとなりました。 「スタウト・フレーム」をかしめて見ると、ハンマーを持った僕の手にピンピンとこのフレームの「剛力さ」が伝わって来ます。 今後当社が製作する Classic Ambassadeur  リールの6500サイズモデルは全てこのフレームを搭載します。その完成モデルの初版は先日発表されました Ambassadeur  6500 Brown II になります。

 

 2008年7月30日

サイモン下村


 

今日は、皆さん、如何お過ごしのことでしょうか?

初バスを私のクラシック作品であります RECORD Ambassaduer 5000 CDL Sunset Silver でお釣りになられた方のご一報も頂いており、いよいよ春が深まって行く様子が伝わって来ました。 

僕の方はと言えば、昨年10月に再発した頚骨のズレが治り切らず、11月の釣行を最後にリハビリに専念しているところです。通常なら冬から早春に遡上するスティールヘッドを人影少ない川で追いかけているとことですが、じっと自重している次第です。 何とか4月には初物を釣り上げたいものです。

さて、僕の念願の一つがいよいよこの4月に完成、発売となります。 それは ABU 工場がついに手がけることのなかったクラシックモデルの6500 CDL なのです。

千葉市で新装開店されました「雷魚と言えば。。。」のプロショップ藤岡さんからの販売です。 

ギヤ比は従来の4.7:1ですが、そこにはすばらしい秘密が取り込まれています。

その秘密はカスタム化されたステンレス製のドライブギヤと、カスタム強化されたフレームです。 ご覧の通りクリッカーパーツまで24 K メッキされていて、もう手放せない一品となること間違いありません。リールは何と言ってもフレームが基礎になります。強化されたカスタムフレームがもたらす剛力は手に取られた瞬間にお分かり頂けることと思います。 詳しくは是非「プロショップ藤岡」さんでご覧になられるか、同店の HP をご覧下さい。

2008年3月30日記述


 

今日は、皆さん。 3月以来、ご無沙汰をしておりました。 日本は梅雨の真っ最中でしょうか? 6月末に私は日本を訪問する計画を持っていたのですが、残念ながら延期になってしまいました。 健康を害してしまい、今回の更新の予定も延び延びになってしました。 10日間も休業をしてしまい、今日からやっと営業活動を開始したところです。 ご返事が遅れたり、更新が遅れましたこと、お詫び申し上げます。 

さて、HPの更新ですが今回は希少価値の高いもの、未使用品などを中心にリストしました。どうぞ奮ってご参加下さいますように。

最後になりましたが、今年の「私の釣り事情」を付け加えさせて貰いましょう。
Simon’s Classic Ambassadeurリールには当社側で製作したカスタム・パーツが幾つか導入されています。 そのパーツを生産しているマシーン・ショップの近くに小さな野池があります。 以前から目をつけていたところでしたが、何度通り掛かっても、釣り人を見かけたことがありませんでした。 4月のプレスポーニング(産卵前)を狙ってミノータイプをサブ・サーフェスで誘うと、40cmには至らないものの、ラージマウスが何匹も出て来て呉れました。 自宅からたった15分ほどの距離で、手軽なところが利点ですが、護岸用の石の下にネットが敷いてあるのが難点。このネットにルアーを引っ掛けると、絶対にルアーの回収は無理のようです。 
 


写真は珍しくフライで釣り上げた例。

季節はとっくに過ぎ去ってしまいましたが、草花の咲き乱れる僕のフィールドにはトラウトが一杯です。 今年もサビ落としに行きつけの小川に出かけますと、向こう見ずのブラウントラウトが激しくスピナーにアタックして呉れました。 ロッドは8フィート4番のフライロッドを改良し、クラシックのABUグリップを装着したもので、 リールはクラシックの2500Cショートツイン・ハンドル付のものを多用します。 小川のブラウントラウトは自然孵化してたり、放流されてミシガン湖に下るものやら、春の産卵時に遡上するスティールヘッドや、その卵を喰らう為に遡上して来たものなど多種多様です。 魚の溜まり場所が的中すると、そこではトラウトが連続ヒットして呉れます。 そして突然ピタリとヒットは止まります。 その場に溜まっていた全てのトラウトが一度はルアーをくわえたと言うことでしょうか?

春の小川と言いますが、その流れ行く先はミシガン湖ですから、小型のアウトフィットで安閑としていますと、産卵に遡上したスティールヘッドが掛かり大慌てすることがあります。 今年も2匹ほどスティールヘッドが上がりました。 ロッドは4番でラインは8ポンドですから、本当に冷や汗をかかせられます。

シカゴ近郊は平地ですから、ミシガン湖に流れ込む河川は水温が上昇してしまい、トラウト連中は暑さを避けて、皆、ミシガン湖に流れ込んでしまいます。 夏場は水温の低いスプリング・クリーク(湧水河川)を探すことが釣りのポイントになります。

今年は6月にミシガン湖で大型のスモール・マウスをやる計画だったのですが、前述しました、健康上の理由で没にしてしまいました。 今は体力の回復を待ち、釣行は別な機会を待つことにしました。

2007年6月29日記述


 

あっと言う間に3月ももう半ばとなりました。 真冬の無かった日本各地でしたが、 皆さんの釣りの成果は如何でしょうか? 暖かさに誘われてもうフルスウィングなのではないでしょうか? 例年ならばもう春のガナラスカ種というスティールヘッドをハントしようと早春の渓流に足を向けているところなのですが、未だに作業所の仕事に追われている今年の僕です。 

 これからの時期には小型のブラウン・トラウトが岩陰から飛び出してフライやらスピナーを追ってくれる時期なのですが、そんなオチャピーな小物連中の腕をライト・タックルで捻っていると、突然ドンと大型のスティールヘッドやら、時期はずれの成熟したブラウン・トラウトが掛かって“しまい”、ドキドキ、ハラハラさせられることが良くあります。  

さて、今回の更新はコレと言った商品が入手できておりませんので販売のご紹介は行わず、幾つかご連絡・ご報告だけをさせて頂くことにいたしましたのでご了承下さい。

  1. アンバサダー5000モデルの一番小さなシリアル・ナンバー追跡調査・最新ニュース

    昨年末からご連絡してあります同モデルのシリアル・ナンバーですが、さらに小さな番号が報告されてきました。 番号は#50047 。所有者はイギリスのカンブリアに住むポール・リトル氏。 勿論モデルはRECORD Ambassadeur 5000になります。 さあ、いよいよ求め続けて続けている最初のシリアル・ナンバーと予想される#50001に一歩一歩近づいて来ました。 モデル名が5000ですから記念刻印で#50000が存在している可能性が無い訳ではありません。 しかしながら5000Cモデルの例を取りますと、最初のシリアル・ナンバーのの最後の桁は「1」のなっていますので、5000の場合も同様に「1」が最後の桁の数字になると考えるのが妥当でしょう。 未だ、お手元のシリアル・ナンバーをご確認されていない方がありましたら、この機会に是非どうぞ。



  2. 「RECORD Ambassadeur 5000 S.G.モデルは最初のRECORD Ambassdeur 5000ではない?」

    オーストラリアの研究家が彼のHPにて「最初に生産されたRECORD Ambassadeur 5000にはS.G.が刻印されていない」と発表しています。その証拠の一つとしてブラックやグリーンのプロトモデルにはS.G.の刻印がないこと、S.G.モデルに使用されたブレーキ・プレート(クラッチ盤)とブラックやグリーンのプロトモデルのものでは仕上げが異なっている点などを挙げています。 それでは何故、プロトにS.G。が刻印されず、その後の生産モデルでS.G.が付けられ、さらに短期間でS.G.が取り去られてプロト同様な刻印で生産が続けられたかは示されていない。

    S.G.が最初の生産モデルであることは間違いがないとされて来た。 僕もその様に理解していた。 但し、 何故1952年末にスウェーデン内で販売されたものにS.G.が刻印され、その後のヨーロッパ市場向けようにプロトとして生産され販売店の意見を収集する目的で生産された(とされる)ものにはS.G.なしのインゴットを使用したのであろうか? ヨーロッパから収集された販売店の意見では「赤」は一番手ではなかったが、
    当時のオーナーであるボーグストロームの意見として「対岸からでも人目に付くように赤にしたい」との一言で「アンバサダー・レッド」に定着した。。。ことになっている。

    未だ、僕の意見を改めて申し上げる段階ではないが、S.G.が最初か否かを判断する、一寸したヒントがあることを思いつきました。 それは日を改めてご紹介することにしましょう。

11/28/2006

 いよいよもう師走となりますね。 皆さんは如何お過ごしでしょうか? 僕にとって今年はあまり釣りに熱中できなかった年でした。そのことは大いに残念に思っています。

 僕は今月(11月)には Ambassadeur 5500 DL ブラウンを製作し、現在は次の企画ものに日夜取り組んでいる真っ最中です。  Ambassadeur 5500 DL ブラウンはつい先日、ピュア・フィッシング社から発表があり、その反応は好調とのことでした。 製作担当者としては大変嬉しいニュースです。 詳細をご希望の方は是非、ピュア・フィッシング社のHP http://www.purefishing.jp/ をお尋ね下さい。

さて、コレクション品の研究として以下2件ほどご連絡を差し上げます。

  1. Ambassadeur 5000モデルの最小シリアルナンバーの追跡調査について:

    11月に実は2点、新たな最小シリアルナンバーが連絡されて来ました。 ご紹介申し上げます。
    50235番。 これが現時点で確認された一番小さな(一番古い)番号となりました。
    本場スウェーデンはストックホルム市にお住まいの中村 浩 氏の蒐集品です。 おめでとうございました。 同氏から近い内に再度新たなニュースがもたらされることも伝えられて来ております。
    このニュースに先んじて、アメリカ合衆国ミズーリー州にお住まいのティム バー氏からは同モデルの50295番を入手された旨の連絡を頂いておりました。

    僕は既に Ambassadeur 5000番の最初のシリアルナンバーは50000もしくは50001であろうとの見解を発表しております。 皆様からのご連絡により、一歩々その領域に近づきつつあります。 今後も一つ追跡調査にご協力をお願いする次第です。

  2. 次は RECORD Ambassadeur 5000モデルに使用されたオイル・フェルトに関する調査ご協力です。

これまで僕は僕の書物の中で「当初のオイル・フェルト(5146番)は赤色のもので、これが1957年辺りまで使用され、その後緑色したものに仕様換えになった」旨として取り扱って参りました。
さて、蒐集して来た SG モデルを含む RECORD Ambassadeur 5000モデルには時として、緑色をしたフェルトが入ったものや、左右に一枚ずつ赤色と緑色をしたものが入っているがあります。
そこで皆様へのご協力は 所持されている RECORD Ambassadeur のモデル( SG モデル ,  あるいは5000モデル、6000モデル) 5000番でシリアルナンバーが付いている場合にはそのシリアル・ナンバーを沿えて、搭載されているフェルトの色をご連絡頂ければ幸いです。 未使用箱入り品をがあれば、より正確な情報がつかめる訳ですが、その様な製品をお持ちの際には是非ご情報を頂けます様、お願い申し上げます。

是非、皆様のご協力を仰ぎたくご連絡申し上げます。

 

2006年11月28日


08/31/2006

皆様には大変申し訳ありませんでした。 本当に長いことお待たせしてしまいました。

ほぼ3ヶ月闘って来た頭痛がやっと沈静化して来まして、この度やっとHPの更新に漕ぎ着けた次第です。 その間必ずしも遊び呆けていた訳ではなく、ピュア・フィッシング社のHPでご存知と思いますが
Simon Shimomura‘s  Classic Ambassadeur の中で紹介されています通り、
「RECORD Ambassadeur5000黒」の製作に追われる中、4回も出張が重なってしまい、HPの更新がここまで伸び伸びになってしまいました。 

皆さんの釣りの成果は如何でしょうか?

日本は天候不順が続き、皆様の釣りにも影響が出ているのではないでしょうか?

僕はどうかと言えば、5月中旬に一日だけ釣りらしい釣りをして以来、先週まで釣行する機会がありませんでした。 今回の釣行目的地も隣のウィスコンシン州の渓流です。 アメリカの中西部は渓流とは言えど、冬季を除くと澄み切った清らかな流れはほとんどなく、濁りを伴うことが難点です。 

さらにもう一つの難点は、農地や放牧地に開拓されてしまった所も多く、そんなスポットの周りには立ち木が多く、木の枝やら、伸びた夏草に気を配りながらのキャスティングとなってしまいます。 使用したリールはAmbassadeur2500CDLですから、振り切る瞬間にルアーが後ろの枝につかまっては、バックラッシュを起こしてしまう危険を伴います。       

そんな牧草地を流れる川は河岸、川底に泥炭あり、倒木ありで水面に下りられず、2mも高くなった地面からキャストする結果になることがあるんですよ。

8月23日には大型のトラウト(レインボーとブラウン)が出るというパイン・リバーへ出かけたものの、結局ネットを必要とするだけの大きさのものには出会うことができませんでした。 
その代わりに一匹30cmほどのスモールマウス・バスが一匹混じって呉れましたのは余興だったのでしょうか? 翌24日は地図と取り組みながら田舎道を拾って見ました。 小川の落ち込みを幾つか見つけて、スピナーを振ると必ずブラウニーとブルッキー(それぞれブラウン・トラウトとブルック・トラウトの愛称)が一人釣行をする僕を楽しませて呉れました。 しかし楽しい時間も長くは続かず、昼頃には激しい雷雨とヒョウに苛まされてしまい納竿となってしまいました。

今回もどうぞHP商品をご覧頂けますように、お願い致します。

2006年 8 月 31 日記載

「やっと低いところへ降りることができたぞ。」
― 使用リール:アンバサダー2500CDLカスタム −

 


02/08/2006

今年の一年の計を「先ず第一に、健康に努めること。」と私は決めました。 そしてその言葉が乾かない内に、いきなりリハビリに入ってしまうことになるのですから、困ってしまったものです。

昨年の末から目立って来た左上腕筋の異常は1月に入ってからは右腕にも似たような症状が出てきました。 過去5年ほど、利き腕である左手にはしびれがあったのですが、今度はさらに症状が悪化して、上腕筋に常に重いだるさがあり、ひどい時には本を手にするのさえイヤになってしまうほどです。

ですから1月にはほとんどハンマーを持つ事すらありませんでした。

先日の MRI の検査、頚骨4箇所にずれがあり、神経を圧迫している為に起った障害という結果が出ました。

そこで早速投薬をしながら、リハビリを開始したという訳です。 英語では歳を取って体(頭も同様でしょうが)が衰えて行く症状を downhill (滑降)と表現することがあります。 勿論医学的表現ではありませんが、本当にうまい表現をしたものだなあ、と関心してしまいます。

今年はピュア・フィッシングさんが「釣り博」を不参加されたことで、1〜2月に掛けて例年訪問していました ABU Garcia 社のブースで皆様にお目に掛かれる機会を逸してしまいました。 残念でしたが、仕方がありません。 ピュア・フィッシングさんは、早ければ今月から HP を開設され、皆様に新商品のご紹介やら、楽しい釣行記など盛り沢山な情報をご提供されて行く企画を建てられております。 詳細は未定ですが同社の HP への私の参画もあることになりそうです。 限定の新商品として販売されて行きます Simon Shimomura’s Classic Ambassadeur もどうぞ同 HP にてご覧頂けますようにお願い致します。 同 HP が開設され次第、再度皆様にはその旨ご連絡申し上げます。

今年はこれまでにも増して、幾つかチャレンジ性に富んだクラシック・アンバサダーを作って行きます。

さらに昨年から少し僕の守備範囲を拡大していまして、今年は一寸これまでとは異なった領域でのお付き合いも決定しております。 詳細は後日ピュア・フィッシングさん側でのご用意が出来上がる3月末から4月に掛けて正式に発表することになります。どうぞお楽しみにお待ち下さいますようにお願い致します。

2006年2月8日記載


11/15/2005

今週はもうサンクス・ギビング(感謝祭)。 アメリカではその翌日から本格的なクリスマス商戦が始まる訳です。
  未だ、一年を集計して振り返るには一寸早いでしょうが、いやあ釣れなかった一年でした。

 春先4月には適当な水量があり、20cm以下と思われるブラウンをそれこそわんさかと釣りましたし、8月のくそ暑いウィスコンシンの渓流でもブラウンやブルック・トラウトをフライで楽しんだものでした。 然しながら、「アンバサダーで何を釣ったか」を自問してみると、ほとんど成果と言えるほどのものを釣っていません。 昨年の様にスティールヘッドをかけることなく、このまま年を越してしまうのではないかと心配すらし始めるこの頃です。
  「降水さえあれば。。」と、温暖に晴れ上がった空を怨むばかりの一年でした。

 さて、蒐集の方はどうだったかと言うと、今年は箱入り新品の5000 D ティールを一つ、同じく5500ブラウンを2つ、5500 C グレーを2つ仕込むことができただけで、期待していた9000の新品箱入りは eBay に流されてしまい、ご破算。 と言った具合でこちらも成果の方はいまいちでした。

 生産の方は、今年もアンバサダー4500 D やら、特注品のアンバサダー5500 CDL レッドなどを中心に大いに忙しく飛び回ることになりました。 出荷前の繁忙期にはいつも数人の卓越した腕前を誇る数人の友人達が手伝って呉れるのですが、その中でも飛車角的な存在のビル氏がこの12月で妹さんの居るニューヨーク州の田舎に隠遁することになり、来年以降は又新たな面々で体制を整えることになりました。 来年の企画次第では大いに手間の掛かるアンバサダーの組み立てが在るかも知れません。 この冬は充分羽根を伸ばし、生気を取り戻して置く事にしましょう。

今回は6台ほどバイオニック・アンバサダーをご用意いたしました。 中々程度の良いアンバサダーに出会うことが少なくなってしまった今日この頃です。 これまで酷使に耐え、そしてほっぽりだされた正に老兵とも言えるそんなクラシックのアンバサダー達を僕はリストアー(再生)して上げることにしました。 そうです。 以前にもご紹介しました例のバイオニック・アンバサダーです。 できるだけその個体に使われていたパーツを尊重しながらも、消耗してしまったサイドプレートやフレーム、そして交換されてしまったハンドルなどは私が作り出すパーツに交換してあげる事にしました。 その出来栄えをじっくりと味わって下さい。 そこには貧相な姿はなく、晴れ晴れとそしてすがすがしく、実釣に連れて行って貰える日を待ち焦がれる甦ったばかりのアンバサダー達があります。 バイオニック製作に際しては、一切の作業工程で従業員が触ることなく、全て僕自身が行います。 是非、販売欄をご覧下さい。

11/15/2005


7/26/2005

この2年間の釣り歩きで色々な経験をしました。 今回はその経験の一端をクラシック・リールの面から触れて見ました。
5500Cは使って見て、確かにバランスの良く取れた優れた機種だと思いました。 僕の場合は、モニターを兼ねての釣りをする為、オリジナルのクラシックを使うことよりも、どうしても自分で組み立てたSimon‘s Classic ものを使うことが多くなってしまいます。

然しながら、2500Cの場合には自前でパーツを生産することが無かった為に、76年のオリジナル品やら、オリジナル・パーツから組み上げたCDLを使用しています。

利き腕である左の肩、肘、掌、人差し指、小指の障害が進行するに連れて、5500Cを使用する機会はめっきりと減り、代わりに2500Cを持ち出す機会が増えて来ました。

2500Cは小型のスピナーを振るには好都合で、ウィスコンシン州で春のブラウン・トラウトと戯れ続けています。 本来20cmほどのブラウンと遊ぶのであれば、4ポンドや、6ポンドのラインで充分でしょうが、ここでは時折スティールヘッドが出て来ます。 そこで8ポンドラインを巻いいて行く訳です。 ロッドは「割れ鍋に綴じ蓋」とでも言えるような、壊れたロッドから作り上げた7フィートほどのウルトラ・アクションを用います。 小物と遊んでいるところへ突然スティールヘッドが当たります。 そこで鮮烈なファイトが始まる訳ですが、この2年間使用している2500Cは必ず期待に応えて呉れました。 これまで掛けたものは全てランド出来ています。 暴れ者とのファイトを経験し、一日の戦いが終わっても、肩や、肘への負担は少なく、楽しい釣行の終始できているのは大変嬉しいことです。

只、今年は先月の販売した4500Dで紹介したようなクローム仕上げで軽量化を実現したアルミフレームで、4500を組み上げて見ようと考えています。 

2500Cの軽量な点は魅力ではありますが、やはり口径の大きな4500の魅力も捨てがたいものがあります。 赤はABUファンの憧れです。 その赤がアウトドアーに絵の様に映えてくれる光景は、今考えただけでも興奮させられてしまいます。

2005年7月26日。


5/3/2005

今回はSimonからの新作情報をお送りすることにいたしましょう。

昨年から僕が製作するクラシック・アンバサダー・リールはピュア・フィッシング社との契約により日本市場への限定販売商品となりましたことは既にご承知の方も多いかと存じます。

今年も又、一寸思考を凝らした商品を販売していますので是非ご一覧のほどをお願い致します。

既に3月には雷魚釣りの方々へお送りする6500ブラウン、及びバス市場向けとして5500レッドを既に市場にお送りしております。

そしてこのゴールデンウィークには憧れの4500Dを限定でお送り致します。 昨年にスウェーデンのABU工場と打ち合わせをしていた際に、ぼくは偶然にも4500Dのオリジナル・スティッカーが丸秘の個所に保管されていたのを発見したのでした。

私は4500Dを「セミ」プロトタイプとして格付けしています。 私が「セミ」と格付けした理由は幾つかありますが、中でも70年代の4500サイズの中で、このモデル(プロトですが)だけはロット・ナンバーも刻印していない4500や4500C用のクローム・フレームの修理パーツを利用して5500Dから作り上げたものであったことが、このモデルを「セミ」と断定した一番の理由でありました。 今回は、その発見した限りあるオリジナル・デッド・ストックのスティッカーを貼り付けてサイドプレートを仕上げてあります。 これはアブ・コレクターに取っては見逃す事の出来ない一品であることに間違いがありませんね。 

さらに、もう一つ。 4500のサイズのものは5500サイズと比較するとたった5g〜10g程度(モデルによりますが)しか軽量化されていなかった為、4500(C)を手にした時に、逆に5500(C)よりも重量感があるかのような錯覚を覚えることがありました。

今回の製作ではその点も考慮し、フレームのインナー・プレートにはクローム仕上げを施したアルミを使用しました。 これにより、従来のものと比較して、25gもの軽量化を行なう事が出来ました。

ABUはこれまでこの様なフレームを使用したことがありませんでした。 是非お手にとってその軽量感を実感して下さい。

 ピュアフィッシング社との契約により、当社の製作する完成リールは全てピュア・フィッシング・ジャパン社(ABU Garcia)の取扱い店舗から販売されています。 6500ブラウン、5500レッド、5500Dグリーン、それに4500Dグリーンをご贔屓にされています皆様のピュア・フィッシング取扱い店で是非どうぞ。

 

2005年5月3日


 

1/22/2005

年が改まって早くも3週間が経ちますが、残念なことに年末から世界中で暗いニュースが続きますね。 インドネシア沖で起きた地震による津波では、危うく家族で被災地をご旅行なさっておられたABUコレクターの一人を失う危機にさらされました。 そのご家族の安否を気遣いながら、僕は何時に無く暗い年末年始を過ごしていたものでした。 幸いに、一週間も経ってからそのご家族が無事である旨を伝える朗報が入り、ほっと胸をなでおろしたものです。

さて、新年。 僕の一年の計をお知らせ致しましょう。 幾つかあるのですが、先ず第一に、健康に努めること。 年は取りたくないもので、障害を保全して行く一方で、あちこちに色々なボロが顔を出して来ます。利き腕の人差し指の関節炎、左股関節の関節炎、それに左膝の英語でメネスケスと呼ばれる半月盤の2度目の破損。 まだまだリストは続くのですが、この辺りで止めておきましょう。 何とか健康で居たいものです。 そして大いに釣り歩きたいものです。

第二に、出来るだけ旅行をして、そして釣りを楽しむこと。 今年も東京と大阪の釣り博に出掛けております。 ショー会場にお越しの際にはどうぞ現場で気軽に声を掛けて下さい。 本人はとても気安く、冗談好きでして、皆さんからお声を掛けて頂くことを楽しみにしております。 是非どうぞ。   

日本行きの他は、アメリカを大いに駆け回ろうと計画を立てています。 ワシントン、オレゴン、ウィスコンシン、ワイオミング、モンタナ、アイダホの各州をアンバサダーを持って釣り歩こうと言う訳です。 てぐすねを引いて待っている連中はヒューストンにもマイアミにもいますし、海外ではスウェーデンやデンマークにもいるのですが、少しは僕の工房にもいなくてはいけませんから、どれだけ旅行することができますやら。

第三に、これまで何度か試作を重ねて来ました懸案事項を実行に移そうと思っています。

具体的な計画としてはクローム仕上げのフレームを修理・蘇生して上げることもその一つです。 本来、アンティーク品などの場合はオリジナルの状態が保たれているか否かがその品物の価値を評価する際に非常に重要になります。 そうは言っても、実際にオリジナルの品物で釣りをされる際に、手にする品物は「綺麗」であるにこしたことはない訳です。 蘇生されたフレームは完全なオリジナル状態を失う反面、綺麗さでは価値が増すことになります。 

さらにこの考えを発展させたものがボロのオリジナル品を蘇生し、且つ又一部のパーツを取り替えることにより美的感覚に溢れ、機能もアップした品物を再度世の中に送り出してあげるということです。

ここに一つの例としてアンバサダー4500をご紹介致しましょう。

写真では2つのほぼ同じ状態で入手したアンバサダーを並べて見ました。 片方は購入した時そのままの状態ですが、もう片方はフレームを蘇生し、サイドプレートを始め多くのパーツを交換した蘇生品で「バイオニック」品とでも呼んで置きましょう。 「バイオニック」はフレームの蘇生が修理の部分に含まれており、オリジナルのロットナンバーが保管されているところが、単なる「部品交換」と決定的に異なる点です。

ここで重要なことは、蘇生された品物はあくまでも蘇生されたものであり、既にオリジナルの状態ではないことを販売する方も購入する方もはっきりと自覚を持つということです。 蘇生されたものをあたかも「オリジナルである」かのごとく宣伝したり、販売したり、あるいは言いふらしてはなりません。オリジナル品とは、あくまでもオリジナル状態を保った品物に限られます。 蘇生作業を過ごしたリールには一部私のカスタム品のパーツが利用されることになりますから、出来上がったバイオニック品はもうオリジナル品ではありませんことをしっかりと自覚しましょう。

僕が修理、蘇生した品物をご覧頂いて「Simonは、いい仕事をしているな」と、評価を頂けるような仕上げにして行きたいと考えております。 又、「これはSimonにバイオして貰った品なんだ」と躊躇される事なく、堂々と胸を張って周りの方々に言って頂ける品物に仕上げて行く所損でおります。

僕が手がける「バイオニック」はどこかの誰かが捏造し、eBay などで販売しているインチ気品ではありません。 それは長年の酷使に耐え、ボロボロになり、葬り去られ様とする名品を蘇生した品物であります。5500C用のフレームはあくまでもそのフレームが使用された年代の5500Cをバイオする目的に限って使用します。   

この「バイオニック」品はビンテージリールの欄で実際に販売を致します。 どうぞご覧になって下さい。 又、この「バイオニック」品に関する皆様のご意見をお寄せ下さい。

この項2005年1月21日記述


11/16/2004

最近アンバサダー・リール用のディキャル(スティッカー)の問い合わせが結構増えて来ました。 おかげ様で必死に探し続けているデッドストックはご希望数・ご希望モデルとも、発見してご提供できる件数を遥かに上回っているのが実状です。

 そんな環境の中でこの度、一々ご希望の種類やデザインを問い合わさずにご一覧頂けるようなリストを作成いたしました。 是非、ビンテージ・パーツ・リストをご覧頂けますようにお願い致します。 尚、リストされていないディキャルは在庫がありません。 改めてのお尋ねはお避け頂けますようにお願い致します。

話は変わりますが、最近になってebay やYahoo を利用した悪辣な詐欺行為が続いているようです。 ebay やYahoo などは単なる販売の媒体であり、広く一般に商品の流通を促すシステムであり、大変有益なシステムであります。 しかし残念ながら、それらのシステムを悪用した悪辣な「やから」達が俳諧していて居る為に、ebay やYahoo を利用して商品の購入を試みる方々の隘路となっていることは否めません。

小額な取引の場合には実際の被害は少ない訳ですが、場合によりましては高額な品物ご購入希望される場合も出て来ましょう。

今回はこのページを利用して、最近散見しましたケースを取り上げて見ましょう。

仮にA氏が販売人で商品をリストするとします。

ebay もYahoo も「Bid history = 入札の経緯」が表示されていますから、一旦会員になりさえすれば、その入札の経緯からすべての入札者に連絡を取る事ができてしまいます。 そうして入手できた情報を元に詐欺師達は入札者に色々な話を持ちかけて来ます。 ここでの手口は「同じ商品を持っているが買わないか?」、「商品を落札したが、再販することにした。 買わないか?」、「ebay で販売していたが、落札者が購入を取り止めた。 入札2番手だったの貴殿に販売をしたい。」 等など。

 11月9日には新たな手口も出て来ました。 数日前にとある高額商品が販売されたのですが、元々の販売人(アメリカ人)がebay にリストしていた商品の写真と内容をそのままコピーし、あたかもその詐欺師(イギリス人)が先に販売されたものと同一の商品を持っているかのような販売を開始したのです。 この件は元々の商品の販売人であるアメリカ人が、ebay 販売で自分が販売した際の商品の写真と内容をそのままコピーした商品があることを発見して事件となりました。

 同氏は私に事件内容を連絡して呉れた直後に、本人の名誉を守る為にebay にレポートをして呉れました。 早速ebay はこの商品のリスティングを無効とする処置を取って呉れましたので幸いに詐欺の試みは不成立になって呉れました。 

 事件を察知して、私がリスティングを見た段階では既に10件もの入札がありました。

元々の商品の販売人であるアメリカ人が詐欺行為が進行していることを発見し、ebay に連絡を取ったからこの事件未然に防ぐ事が出来ました。 

 くれぐれもebay などでの入札の際にはお気を付けの上、コレクションをお楽しみ下さい。

尚、当社の販売・入札の場合にでも、落札者が送金を行なかったことで、次点の方に販売の希望があるか否かを打診することはあります。 その際の決定的な違いは、次点者には当社が直接連絡を取るという点です。

この項2004年11月10日記述


7/30/2004

 長い事ご無沙汰をしておりましたが、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。 今年の日本は猛烈な暑さだそうですね。 皆さん健康にはくれぐれもお気をつけ下さい。

 アンバサダー2500C(1500C等、CIなどの関連モデルを含む)の生産中止さる。

 もう既にご存知の方もいらっしゃるでしょうが、1975年に画期的なアンバサダー・モデルとして登場して以来30年間に渡りヒットを続けて来たこのモデルの生産が数ヶ月前に正式に中止されました。
 
  思い起こして見ると、私にとってもこのモデルには数々の想い出があります。 
私が2500Cのクラシック・モデルを実釣に使い出したのはほんの4〜5年前のことでした。 使い始めたものは初登場した年に出されたショート・ツイン・ハンドル付きの75年モデルで、どこかのショーにおいて中古で入手したものでした。
それを2年ほど使っていたのですが、是非とのご希望者にお譲りしてからは、77製のものをブラウン・トラウトやスティール・ヘッド用に重宝に使って折りました。 2500Cでスティール・ヘッドが掛かった時は8ポンドラインや、ウルトラ・ライト・アクションのロッドが今にもギブ・アップしてしまいかと、さすがに心臓がドキドキしてしまいます。 今は相当数を手放してしまい、1500CDL1台、2500C1台、それに2500CDL1台が手元に残っているだけで、これから少し蓄えを始めようかと考え出したところです。

5000De Luxe, 初期5000D De Luxeモデル逸話。
  24Kメッキが施された両モデル。 アメリカではリールのキャデラック版と広告が打たれたモデルです。 前オーダーのレナート・ボーグストローム氏と歓談した際にお聞きした際に大変面白い逸話が飛び出して来ました。 それは、先ずこのモデルの考案が彼自身の手によるものだったということ。 さらにこのモデルは何と宝石店で販売する計画であったというのです。 その計画がGarcia社に伝わったところ大反発があり、やはりGarcia筋で販売されることに落ち着いたというのです。 値ごろ感から言えば、宝石店で販売する案はうなずけない事はありませんが、やはり餅は餅屋で在るべきでしょうね。 
  ところで、5000De Luxe, 初期5000D De Luxeモデルをお持ちの方、左右のスプール・キャップをじっくりとご覧になりましたか? キャップの廻りに施されたメッシュ模様はエンボスとも言いますが、このメッシュ模様、左右で対象になっていますでしょうか? 左と右で模様が異なっていませんか? 左のような模様をメス(フィーメール)、右をオス(メール)と言います。 何故このように仕上げたのでしょうね? 僕自身未だ納得できる回答に出会っておりません。  

 ご意見のある方、是非ご一報下さい。


  私の製作する「カスタム・アンバサダー」が4月以来日本独占商品としてその名もSimon Shomimura‘s Classic Ambassadeur Casting Reelとなってからは、猛烈な忙しさに襲われ、このHPの更新も進める時間が見つかりませんでした。 ここでお詫び申し上げさせて頂きます。

 4月以来、私が製作するクラシック・アンバサダーは全てピュア・フィッシング・ジャパン社販売系列を通して販売されており、5500C 79 ブラック、5500C 76シルバー(刻印モデル)、そして5500Dシャンパン・ゴールドがこれまでに店頭にお目見えしております。

 ABU工場の長き夏休み。
  現在ABU工場は恒例の夏休みの真っ最中。 僅かながらの従業員達が事務処理を進める他は、ほぼ3週間も生産作業一切が止まっています。 この長い夏休みには毎年参ってしまうのですが、こちらとしてはどうにも手の打ち様がありません。 もう来年からはABU工場の生産体制に合わせて、こちらも同期間を完全休暇扱いにしてしまおうかな? どこかのひなびた片田舎に引っ込んでしまい、お気に入りのアンバサダーをお供にしてトラウト釣りと執筆作業だけに明け暮れるなんて最高だろうなあ。   

 一応来年は家族旅行先を夏のアラスカと、2月の札幌雪祭りに絞っています。
そうすると、アラスカのロッジなどはピッタリとこの条件に当てはまりますね。


この項、2004年7月30日
サイモン下村 


(2004年1月31日記述)
「ミスター・アンバサダー」日本の釣博(タックル・ショー)への招待を受ける!

お待たせいたしました。 大変長い事ご無沙汰しておりましたが、やっと更新にこぎつけることができました。 そして今回の独り言での第一報が、日本の釣博へのご招待を受けましたご連絡なのです。
日本の釣博へ、ピュア・フィッシング社さんからご招待を頂きましたもので、確か6年振りで久しぶりに懐かしい日本の土を踏むことになります。 いやあ、本当に胸が高まりますね。 私は業者日と一般公開日の両日、東京と大阪の両会場に出る予定でおります。「ミスター・アンバサダー」の日本参加となった経緯は又何時かお話する機会があることでしょう。

ピュア・フィッシングさんのABU Garciaブースにテーブルを頂戴致しておりますので、是非お誘い合わせの上、ブースにお立ち寄り下さい。 会場で皆さんとお合いできますことを楽しみにしております。 どうぞお気軽に話し掛けて来て下さいね。

既に、会場内で小生の本に署名を依頼される方からご連絡を頂いております。 現場では即売は認められておりませんので新規の販売は出来かねますが、お手元のものをお持ち頂いた場合には、ご署名は喜んでさせて頂きます。

さて、今回はデッドストックで保存していました商品の一部と、サイドプレートのデッドストックを全部吐き出すことにしました。 これによりまして、これ以降、僕が販売するサイドプレートは全て再生産品ということになります。 又、今回掲載されていませんサイドプレートのオリジナル品に対するごお問い合わせはお避け下さい。 在庫がありません。 是非この機会を逃さずにお求め下さい。

昨年12月に新たな事務所を開設し、安定したカスタム・アンバサダー・リールの生産が行える体制を整えたばかりで、どこかへ物を仕舞い込んでしまい、探し出すのにオオワラワしているこの頃です。

昨今、とんでもないアンバサダーのサイドプレートを見せて貰いました。 それは正規品や、僕に許可されている様なカスタム仕上げのサイドプレートではなかったのです。

持ち主の説明では、6500C用のセット5点をeBayで購入したものだということでした。 是非色合いを見て欲しいと頼まれ、先日見せて貰ったのです。 左側プレートを手にして見ると、何かしらオリジナル品より多少重量感がありました。 一見サイドプレートに取り付けられている部品は確かにオリジナルの様ではありましたが、更に綿密に調べる為に裏を返して見ると、はっきりとした判断が下せました。 取り付けられた部品に付いたキズや取り付き具合から見て、それら5セットの組み立てに際して使用された工具も機械も、ABU工場で使っているものや、私のものとも完全に違っていることが判りました。 とあるアメリカ人が古いサイドプレートを分解してはそれらを組み立てし直しして販売しているとは前から聞いておりましたし、その人が組み立てたリールがあたかもABUのオリジナル製品で希少品であるかの様に宣伝され且つ販売されていることは知っていました。 今回はそんな製品の実態を一部ではありますがこの目でしっかりと見ることができました。

是非、インチキ品に引っかからないように皆さんお気を付け下さい。

そうそう、最後に前回のクイズの答えです。 75年になってそれまでスクルーで止めていた、ハンドルシャフトをC(Eと言う場合もあります)クリップ止めに変更した理由は何かと言うことでしたね。
それまでABUはワッシャーの積み替えをしたり、オイル穴を取り消したりして、ハンドル搭載部分で苦労して来た経緯があります。 実はこのハンドル搭載部分には2つの隠された問題点があったのです。
その一つが、 適切なクッションを持たせて、ハンドルがハンドルシャフト部分でガタガタ浮き上がらなくすることでした。 スクルー止めの方法では、これがうまく解決し辛かったと言う訳です。 スクルーをゆるめておくと、ハンドルがガタついてしまいますし、 反対にきつく締めておくと、今度はスクルーがハンドル・シャフトを搭載するブレーキプレートのシャフト部分にガッチリとはまってしまい、全体が空回りしてしまい、さあメインテナンスをしようにも、サイドプレートを外すことさえできなくなってしまいます。 多くの数をこなして、修理やメインテナンスを行って見ますと、この問題が良くお判り頂けますね。 Cクリップ方式にすることでこの2つの問題は一挙に解決出来たのです。

コスト軽減を理由として持ち込まれた方も何人かおられました。 確かにコストも一挙に軽減できましたね。 ブレーキプレートのシャフト内を削る必要がなくなり、特別デザインのスクルーも不必要になり、一般品のCクリップで代用できることになったのですから。


(2003年8月30日記述) 

皆さん、お元気でいらっしゃいましたでしょうか? 大変長いことお待たせ致しましたが、いよいよHPの更新が出来ました。 前回の更新から数えること、約4ヶ月振りとなってしまいました。 この4ヶ月間、ぼくは、結構な数の出張や原稿書き、それに取材などが重なり、例年にない多忙な日々を送っておりました。今回は80年代の製品とChampion Gripを中心に企画して見ました。その点ご了解願います。
 
  僕はあまり旅行をして歩くのが得意ではなく、又好みでもありません。 旅行会社に長年勤めていましたが、その結果やはり好きになれませんでした。 問題は僕の体力にあります。 どうしても旅行中にエネルギーを消耗してしまい、疲れが溜まってしまいます。 然しながら、取材で釣り歩くことは原稿書きの必須条件ですから、出かけない訳には行きません。 そんな訳で今年はウィスコンシン州に2度、そして先週はワシントン州に出向き、さらに皆様がこの“独り言”をお読みになる頃までには、スウェーデンとデンマークでの取材をも終了していることになります。 これらの取材結果はいつの日か、単行本として皆様にお目にかかることになります。 書き上がりや発行予定日は未だご紹介できる段階ではありませんが、完成の暁には是非宜しくお願い申し上げる次第です。

 さて、前回のクイズの回答です。 問題は5000De Luxeに使用されていたピニオン・ギヤについてでしたね。 5000De Luxeモデルは“アンバサダー・リール”としては最初にボール・ベアリングを導入したモデルでありますが、そのスプール軸の工作において見るならば、未だボール・ベアリングモデルとして完成の域には達しておらず、ピニオン・ギヤは5000番同様の#5137を使用しておりました。
正解数名の中から抽選で、千葉県市原市にお住まいのTさん(氏名公表を希望されているかどうか、確認を取っておりませんので)が当選となりました。 おめでとうございます。 Tさんには景品としまして当社カスタム商品(Pure Fishing本社公認)であります90mmミラー・フィニッシュ・ハンドル・セット、マーブルノブ付きをお送り致します。

 それでは今回のクイズです。 「アンバサダーリールのハンドルはドライブ・シャフト上部でブレーキ・プレート(クラッチ盤)のシャフトに取り付けられます。 ハンドルを取り付ける際、通常1974年までに生産されたモデルではオイル注入用の穴が開いたハンドル・リテーニング・スクリュー(#5181)が用いられましたが、1975年モデル以降はCクリップ(Eクリップと呼ばれる方も居ますが)で取り付けられる用に変更になりました。 では、Cクリップが用いられる様になった理由(原因)を上げて下さい。」 理由は複数考えられるかも知れません。 複数考えられる場合には幾つ書かれても結構です。 

 これからも僕の独り言を是非お楽しみに。 この項 2003年8月30日記述。

 

(2003年5月29日記載)

日本で発行されていますトップウオーター専門誌であるところの「トップ堂」という雑誌の最新号(No.10 - 5月26日発売) に私のインタビューを含んだクラシック・アンバサダー及びカスタム・アンバサダーの記事が掲載されています。
http://www2.ei-publishing.co.jp/simcgi/prg/Detail01.dll/Code?No=11350305

発行者はバス・ワールドも発行されている「竢o版社」です。 是非ご一読ください。



(2003年5月15日記述)

アメリカ中西部北部はエルニーニョ現象のおかげで、昨年11月から今年の4月末まで、本格的な降雨(降雪も含み)に見回れませんでした。 おかげで除雪作業が無かったばかりか、4月にはとうとう散水をする羽目になってしまいました。 22年もアメリカ生活をしていますが、こんなことって初めてでした。 おかげで、五大湖から遡上するはずの春のスティール・ヘッドはおお外れとなってしまいました。 という訳で僕のシカゴにおける今年の初物はラージマウスとなりました。 小物ばかりでしたが、マシン・ショップで工具を作ってもらっている間に、一寸失敬して運試しをしたものです。 使用したロッドはフライ・リールで名高いAbelが試作でこしらえて呉れた5フィート半のものを使い、リールはお気に入りのアンバサダー4600Cを使用しました。 未だ寒さが残っており、トップでの動きは全くありませんでしたが、何とかサブ・サーフェスで何匹か上げることができました。 
気温が上がれば、魚の動きは活発になりますので楽しみですが、ドラグを引き出すような大物が釣れるのは、いつのことになりますやら。

今、珍しいものを何台か組み上げています。 その一つが今回の更新で掲載しましたアンバサダー2500CDLです。 何とかパーツが工面できましたので、実釣目的でお使いになりたい方にと思いまして組み上げました。 これは例のゴールデンセットの一部として木箱入りで販売されていたものですね。 詳細はビンテージ・リールの項目をご覧頂けますように。 台数に限りがありますから、ご希望の方はこの機会に是非どうぞ。

今年は3月から各方面に取材目的で釣り歩いているんです。 行き先を含めた細かな内容は、次の本の内容を漏らしてしまうことになりますので、残念ながらここでご紹介させていただくことは控えさせて頂きます。 発表時期も未定ですが、いずれ発表する暁には皆様にお世話になりますので、その節にはどうぞ宜しくお願い致します。 

このところ、ハンドルの組み立てに追われているんですよ。 
今作成しているのは今回発表してあります5000CDLのカウンターバランス用ハンドル。 ヒネリ・ノブに弾丸型(と呼んでいる方が居るようですが)のCB付きと、もう一点白とクリアーをマーブルにした90mmパワー・ハンドルをミラーフィニッシュで加工しました。
昨今バイオレットやらホットピンクを作って見て、既に販売しています黒やクリアーのレッドではどうしても違和感があったものですから、新製品として発表することにしたものです。
一段と個人の好みに合わせて組替えができ、個人個人の個性を生かした釣りが楽しめる為に、Simon、陰ながらのお手伝いをさせて頂きます。 どうぞ宜しく。

さて、ここでSimonのアンバサダー・クイズを一つ。
アンバサダー最初のボールベアリング・モデルは何でしょうか? これは一寸皆様には簡単過ぎましたね。 そう答えは5000 De Luxeですね。 腕試しはこの辺にして、この次が本題です。 それではその5000De Luxeに付いているピニオン・ギヤには何番のものが使われているでしょうか?
ヒントを差し上げます。: A)従来のモデルである5000と同じ5137番である。  B)ボール・ベアリングモデルの最初のモデルであるから5000Cと同じ8701番である。
C)どちらのものでもなく、9175番を使っている。
締め切りは6月15日です。 回答はメールにてお寄せください。 抽選で一名の方にSimon特選の記念品を差し上げます。

これからも僕の独り言を是非お楽しみに。 この項 2003年5月15日記述。


(2003年2月21日記載)

まず、長いことHPの更新作業を行うことができなかったことをお詫び申し上げます。
各位の方々から「ひょっとして病気でもしているのでは」とお気遣のメールを何通も頂いてしまいました。 お気遣い大変感謝しております。 改めてこのHPを借りまして御礼申し上げたいと思います。

さて、新刊「アンバサダーと私 最終章」では相当体力を使ってしまいました。 最終章が初版のものよりこれ程エネルギーを消耗するものとは思いもよりませんでした。 エネルギーの消耗原因を振り返って見ますと、常に初版のものより見劣りした内容にならないように気遣ったことと、新たなネタの選択に頭を使ったことが背景にあったようです。

「最終章」を紹介することから2ヶ月余りで、ABU工場とスウェーデンのコレクターやデンマークのコレクターを訪問する機会がありました。 訪問先でデンマークのコレクター達から、「最終章」の次は何を書くのか? という問い合わせがありました。 「来るかな?」と予測していた問い合わせではありました。 この件につきましては、日本の方々からも異口同音の問い合わせがありました。 「最終章」は最後で、本当はその後がないはずですが。。 

そこで実を言いますと、、、、。 もう僕の方は、「最終章」を書き終える前から次の企画の実現を目指してその作業に入っていたのです。 その企画はクラッシク・アンバサダーのコレクターや利用者の方々と言った限られた読者より、もっと広範囲な読者層を狙ったものとなります。
まだ、企画の骨子が固まっていないことと完成まで日数が掛かりますことから、この件は又改めてご紹介をすることに致しましょう。
兎に角、12月末の発表以来、おかげさまで「最終章」がよく売れています。 当初取り寄せていた手持ち在庫が切れてしまい、一時はバックオーダーがでてしまうほどでした。 既にお読みいただいた方にはこの紙面を借りてお礼申し上げます。 又、これからお買い求められる方々には是非宜しくお願い致します。


話は変わりますが、今回のヨーロッパ訪問で収穫のありましたものをご紹介して見ましょう。

一つ目はABU工場の食堂で使用されていたお皿、数点。 これらはRECORDマークやABUの登録商標が付いたもので、50年もの年月、工場で働く工員、事務員、そして訪問者達の食事のお供をしていたものです。 既にそのバーニッシュは剥げかかり、それがなおさら、過ぎし歳月のはるか彼方を物語っているかのようです。 又、新たな僕のコレクションが増えてしまいました。 写真ではRECORDマークやABUの登録商標が付いたものを一点づつ重ねて写真を撮りましたが、金文字のRECORDものを含んで、大きさもまちまちに入手できました。 ディスプレイ・ケースが又一つ必要になったようです。


二つ目は未使用状態のABU PARAZOOM 181。6フィートのツーピース・キャスティングロッドです。 既に所持しているRECORDなどに加わった新しいロッドとなりました。
ロッドの収集は取り分け難しく、程度のよいものは中々出て呉れません。 
「ABU工場に行けばデッドストックが一杯あるだろう」と、愚かな予測を立てていたあの頃。その過ぎ去ったあの頃の事を思い出すと、つい笑みがこぼれてしまいます。

これからも僕の独り言を是非お楽しみに。 この項 2003年2月21日記述。



(2002年7月19日記載)

今年のアメリカは6月から暑い夏に襲われ、私の住むシカゴ郊外では連日33、34℃の真夏日となりました。 札幌生まれで暑さに弱い私は閉口してしまいます。

さて、いよいよABU工場の生産機能が急降下してしまいました。 スウェーデン社会は従来から「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれて来た重厚な社会保障制度に支えられて来た国家であります。 ところが、国民の為に築き挙げられていたその社会保障制度は70年に開花した国際自由競争下においてはマイナス要因として左右してしまうのですから、世の中何が役に立ち、何が障害になるか判ったものではありません。

ABU工場はこの社会保障が行き届く国家体制の元で、コスト高という高い付けを払わされる羽目になってしまい、そのしわ寄せが「低品質・低価格商品化」へと向かわせてしまいます。

既にスピニング・リール類の生産は日本、韓国、さらにバングラディッシュに完全移行されてしまったものが大半を占める用になってもう久しくなりますね。これからはアンバサダーリールもその例外ではなくなる時代に入りました。

昨年から検討されていたパーツの海外生産がそれです。 もう機能低下しているスウェーデン工場で全てを生産組み立てしたのでは採算ベースに乗らないという訳です。海外生産されたパーツはスウェーデン工場に集荷され、組み立てられて行きます。

スエーデン工場で生産される旧型モデルのパーツも大幅に値上がりがあり、じわじわと当社のパース販売価格に跳ね返りつつあります。 

現状を見ると残念なことには違いありません。 その反面、いよいよ旧き良き時代は燦然と光り輝きその時代に排出された製品は価値を増して行くということになります。

あの時代がよみがえることは決して在り得ません。ですからクラシック・アンバサダーを大切にご利用頂き、又、末永くご愛顧頂けます様に。 丹念に一つ一つ名器アンバサダーを作り上げていかれた当時の工場関係者に成り代わり、お願い申し上げる次第です。


(2002年5月07日記載)

著名な方との交際

このところ色々なことで連絡を取り合っている人物が2人います。一人は「アンバサダーと私」の原稿に目を通してくれたABUの2代目社長、レナート・ボーグストーム氏です。次の本の内容やら、そこで紹介できるトピックスなどを話し合っています。 同氏はアメリカ東海岸の町に移住しており、時差などを気にせずに気楽にお付き合いができるところが大変に魅力です。 彼は友人としてスウェーデン国王を誇り高く思っておられ、退職された現在も毎年ABU工場を訪問されています。

さて、その私と彼が探し求めているアンバサダーがあります。 それは彼の尊父イエテ・ボーグストーム氏に贈られたアンバサダー5000番のシリアルナンバー100000番なのです。 シリアルナンバーが5桁から6桁に変わり、10万台目となったこのリールはイエテ氏に寄贈されたのですが、現在その所在が確認されていません。 もしお心当たりのある方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。

もう一人の方は、当時、ABUのアメリカ総代理店であったGarcia社がニュージャージー州に存在していた70年代に(Director of Sales=販売部長)として北欧販売責任者でおられた、ワレン・デルベンサル氏です。 彼もやはりとっくに退職されて、現在は只一人フロリダのベロビーチで余生を楽しんでおられる訳です。

この彼から、プロトタイプとして彼の手元で保管されていたアンバサダーを数点入手させて頂く機会が訪れました。 それぞれの品はビンテージ販売の各商品項目をご覧頂きますが、プロトタイプなど、どの品もレア中のレア品であります。

 例を取りますと4500はシリアルナンバーが刻印されておらず、一般に出回っているものであれば「組立て品」とも受け取られがちなものですが、ここで紹介する品物はそんなものとは異なります。 これらはABU工場が開発したものを最大の市場を仕切るGarcia社の販売部長にプロトモデルとして送られ(贈り)、彼が保管することとなったものです。よってこれらの商品を販売するに当たり、私が証明書をお付けすることに致します。 尚、彼から今回入手した品物の一部にプロダクション・モデルがあります。それらの品物にはプロダクション・モデルとして該当する商品に記載してあります。 

70年代に同氏が世界最大の市場の販売総責任者として、何を工場に要請し、何が市場にあったものかを吟味し、選択していったか、少なからずその一旦をご紹介できることは光栄な限りであります。 そして私はそれらの品をコレクターの皆様に橋渡しできることを光栄に思います。 ゆくゆくは私のコレクションも次の時代の方々に収められて行くことになるでしょう。

パーツ番号5118と4533

このパーツはヨーク・ピンと呼ばれるクラッチ盤の部品で、一般のパーツとしては販売されていません。5118番が5000番などノーマル・スピード用で、4533がハイ・スピード用に用いられます。 ノーマル・スピードのクラッチ盤をハイ・スピード用ものに仕立てるにはこのヨーク・ビンを取り替えることで用は足ります。 用は足りるのですが、実際にやって見ると工作上、苦労されるのではないかと思います。

現在生産されているのもはその組立が簡単に行なえるように、進化の跡が見られますが、50年・60年代のものでは小型のCクリップを取り外したり、はめ込んだりで時間を要します。

私は5000用、5500用とその使い道に合わせて、完成されたクラッチ盤をABU工場からまとめた数字で仕入れをしています。それでも、生産の都合とこちらの在庫事情によっては、このヨーク・ピンの取替え作業が発生する場合があります。

チャレンジがお好きな方は是非試されて御覧なさい。 取替え作業に必要な工具は小型ドライバー一本とラジオ・ペンチです。(念の為に付け加えておきますが、この作業はあくまでも、使用するスピードに合ったピニオンギヤを搭載させる為のものであり、このヨーク・ピン切り替え作業を終了したことで即、手持ちのアンバサダーの回転回数が変わるということではありません。)

 



 

(2002年2月25日記載)
最近はハンドルに凝っています。それと言うのも、幾つかのタフなハンドルを紹介できるからです。勿論、僕の場合はABUオリジナルか、ABUとタイアップしてカスタム化した純正品と準・純正品と言うことになりますがね。その点が他の商品と違う点です。
価格等はパーツの項目をご覧頂くとして、ここでは商品の並びとその特徴だけをご紹介しましょう。

先ず一つ目はRECORD2100などに取り付けられていたハンドルがオリジナルで作れることになったこと。 これは組立てされずに、それぞれの部分部品として眠っていたものを発見したものです。必要が出来た時に組み立てられる用に取ってあった在庫がその内にデッドストックになっていたもので、ABU工場内のとある通称「秘密の部屋」で私が発見したものです。 ですから完全な純正品です。

二つ目は2500C、1500Cの75年、76年モデルの一部にオプションとして取り付けられていたショートツインハンドルです。人気が高く、このハンドルが付いているものと付いていないものでは、価値もはるかに異なってきます。 機能的にも、直径の小さな2500Cには打ってつけなサイズで、とても使いごてがあります。 今回はこれをABUに特注して作って貰いました。 このハンドルは細身のリテーナー・プレートが必要ですが、カスタム製品として現在製作中です。

三つ目は76年モデルとして登場し、高級感の高いミラー・フィニッシュの90mmパワーハンドルです。 例えば5500ブラウンの後半モデルやや5500シャンパン・ゴールドには欠かせませんね。 このハンドルにも細身のリテーナー・プレートが付くことご存知でした?

最後、四つ目は、左ヒネリハンドルです。 5001Cのほんの一部では左ヒネリで作ったノブを持ったハンドルが取り付けられています。 但し、多くの場合は、5000Cや6000Cに使われていたものをそのまま5001Cに搭載しているために、左手で握った場合に違和感が出来てしまいます。 私もこの左ヒネリが中々見つからず、「幻のハンドル」かとも思ったことがありました。 昨年、デンマークでオリジナルの左ヒネリハンドルに出会った時は狂喜したものでした。 そして、この左ヒネリのオリジナル・ノブもABUの「秘密の部屋」で長い眠りに付いていたいたところを発見することができました。

左ヒネリ・ノブ付きのハンドルをご希望の方には、右ヒネリのカウンターバランス・ハンドルをベースにして左ノブをお付けして販売致します ノブもノブの中に入る頭の丸いピンもABUオリジナルって訳です。

 


近状をご報告します。 12月に入り長期の休みを取ろうかと考えていたのですが、またまた忙しくなってしまい、本当に休みが取れますかどうか。 忙しくなった理由は幾つか次の企画を進めているからです。 来年にはこれらの企画内容を正式にお知らせできますので今しばらくお待ち下さい。 幾つか待望の商品もABUとの特注・合作の形で実現する見込みが出来てきました。 やはり新企画やプロト製作と言うものは時間とエネルギーを消化するものだと痛感させられます。

今日も道具を買い込んで試して見たり、取り付け業者と打ち合わせをしたり、アッと言う間に一日が終了してしまいました。 このところ僕の日課は6時半起床、朝ごはん前にスウェーデンABU工場に国際電話。 コーヒーを入れつつ、愛犬と息子に「それぞれ」、朝食の用意をする。 8時に小学校まで送り、その足で業者まで出向いたり、帰宅して事務に取り掛かります。 昼休みは15分だけ。午後6時まで仕事を続け、6時から30分夕食をして又、午後10時まで組み立てやら出荷準備に掛かります。 今は、「僕が辞めたらアンバサダーは終わってしまうのだろうか?」が頭をかすめます。 相当工員が首になり、すっかり静かになってしまい、昔の面影がない工場のことがいつも心から離れないこの頃です。 「頑張れ、ABU!」

 



 

先日ABU工場を訪問した今月、待ちに待ったAmbassadeur1500のプロトタイプを受け取って来ました。 あのABU75周年記念のポスターの中心に飾られたモデルで、大量生産された形跡はありません。 最近色々なカラーで作られたアンチ・リバースのものとは訳が違います。 あくまでもあの75周年記念の商品を目指していますが、思いもかけないところで大きな問題が発生しました。 図面上は特殊仕上げのブッシングが装着されることになるのですが、そのブッシングができないのです。

そこでアブ資料館に保管してあるものを解体して見ると、なんとやはりボールベアリングが搭載してあるではありませんか! 大変な驚きでした。 ABU工場側の3名の方に立ち会って貰い解体したのですが、本当に驚きでした。 それでも1500としてあり、Cはついていないのです。

この種のモデル名の使い方は5000DL(デラックス)に見られ、こちらもボールベアリングがついていながら、Cは刻印されていませんね。

Ambassadeur1500をご希望の方はご意見を合わせてご一報下さい。


 

最近のこと、以前からお付き合いの在る方の要請で旧5000波型モデルのオリジナル・スプールキャップの在庫を開けて見たんです。 

コレクションの引き出しを開けてみると、一つだけ赤いフェルトがススプール・キャップの中から出てきたんですよ。 例のゴワゴワした手触り、厚みのある肉質の素材はご存知の通り正にRECORD Ambassadeur及びABUモデルの4ネジ最初期に使われたものです。

もう相当前になりますが、ABUの工場で年次打ち合わせの際に見つけたものです。 未使用でオイルに染まらないままの赤いフェルトはこんなに小さいながら、貴重なぼくのコレクションの上位に位置するものです。



  カスタム・アンバサダー5500CDLは好調に販売が続き、まもなく完売となる運びとなりそう。 その基礎となるべきモデルが
文字通りAmbassadeur5500CDLでありますが、初めてここに3台を並べて見ました。 一台はオリジナル品、もう一台は恐らく一台だけの純正プロトタイプ、最後の一台がカスタム・アンバサダー5500CDLのシリアルナンバーSSCDL001なんです。
どれがどれかお分かりになりますでしょうか?
組み立て途中のカスタム・アンバサダー5500CDL、壮観でしょう? 
     
     

世界中の色々な方からメールを頂きます。 後から後から出てくるeBayの商品鑑定依頼が多いんです。 見ると兎に角、色々なインチキ品が陳列されていますね。 又それを承知で買われる方がいらっしゃると聞き及びました。 まさに詐欺師にエールを送っているようなものです。。 赤の5500(だと思いましたが)についていたスタードラグをダイレクトの調節ノブに取替えたものを「世界で恐らくこれ一台!」と言うような売り言葉で販売するなど、風上に置けません。 6桁のRECORD Ambassadeur 5000も見せて頂きました。 勿論、自分の使用目的や好みに合わせて自由に作り変えるのはかまわない訳ですが、せっかくのeBayが詐欺師の大通りになってしまったのは悲しいこと限りありません。

 



 

1962年に一年だけ登場するこのモデル。 ここまでの調査では北米だけ に限られて紹介されており、ヨーロッパでは販売されていない様である。 サイズは2000や2600と同じで、刻印を見逃すと2000と勘違いして見逃してしまいそう。

特徴はダイレクト・ドライブにVari−Dragと呼ばれる「画期的」な機能を取り入れたことにある。 特殊構造のハンドルの外側に付けられた大型のハンドルナットは指で調節可能になっており、ハンドルは2000の様に固定式されたままではない。

その反対に2600の様に、ハンドルノブを押すことにより、ハンドルがフリーになるクラッチ機構は備わっていない。 よって、Vari−Dragではハンドルもキャストの際に回転する。 「画期的」でなかった証拠に一年で姿を消すことになる。

商品コード番号 No.1325 $29.95がちなみに当時の標準小売価格でした。

ぼくの「アンバサダーと私」で紹介されてから何度かeBayのオークションで見かけるようになった。 希少価値を反映して、高値で取引されていますね。 これまではそんなに注目されなかったリールだったけど。

Ambassadeur2500

 
 

 

 
 
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